2025.06.112025.06.08

【越谷】夫婦の夢から生まれた「クレープろじうら」は路地裏のやさしいクレープ屋さん

クレープ 越谷スイーツ

2025年2月、埼玉県越谷市の住宅街の一角に、まるで秘密基地のようにひっそりと佇むクレープ専門店がオープンしました。その名は「クレープろじうら」。東武スカイツリーライン「新田駅」から歩いて20分ほど。産業道路から一本奥の路地へ入った場所にそのお店はあります。

ふわりと漂う焼きたての甘い香り。そして、ご夫婦ふたりのやわらかな笑顔。「いつかクレープ屋さんをやってみたい」という奥さまの夢を、夫婦で少しずつかたちにしてきたのだそう。

今回は、実際に訪れた「ろじうら体験」をお届けします。

※オープン日は、月曜・金曜・土曜・日曜・祝日の11時~19時です。生地が無くなり次第閉店となります。

越谷のクレープ店「クレープろじうら」訪問記

まずは注文窓でオーダー。テイクアウトも店内利用もOK

住宅街を歩いていると、ふと目にとまる小さな旗。「町のクレープ屋さん」と書かれたその言葉に誘われるように進むと、そこにあるのは一軒の平屋の家「クレープろじうら」です。

ぱっと見はごく普通の民家。でも、「ろじうら」の看板やクレープのメニュー表、ウェルカムな気持ちがにじむオープンの札、よく見るとそこかしこにお店としての顔がのぞいています。

店先には、自転車やバイクを停められる駐輪スペースもあり、ふらっと立ち寄れる気軽さも魅力のひとつです。

入口から細い道を進むと、右手に木枠の注文窓が見えてきます。

まるでハンバーガースタンドのような雰囲気で、まずはここでクレープやドリンクを注文します。

※ドリンクのみの利用も歓迎です

「店内でゆっくり」も、「テイクアウトして公園で」も、どちらもOK。近くの公園のベンチで楽しむ人もいれば、席が空いていれば店内でゆっくり過ごす人も。気負わず立ち寄れる距離感も、このお店の魅力のひとつです。

店内はDIYでリノベーション。犬連れ歓迎のテラス席も

店内に足を踏み入れると、目の前に広がるのはグリーンの人工芝と、手づくり感にあふれたやさしい空間。

この場所、もともとは使われていなかった古い一軒家。知人の紹介で借り受け、ご夫婦とそのご家族が2年かけてDIYで改装したのだそうです。

愛犬家の皆さんに朗報です!

店内のコンクリート部分は、ワンちゃん連れで利用OKです。地元の愛犬家のあいだでも、口コミでじわじわと広がっています。

お庭を見渡すと、そこにはご夫婦のこだわりがつまっています。

足元には人工芝を敷き詰め、その脇には白い玉砂利と枕木風の敷板をバランスよく配置。素朴でナチュラルな小道がアクセントになっており、ガーデンカフェのような雰囲気です。

特に印象的だったのは、ウッドフェンスに取りつけられたレトロなランタン風ライト。昼間はやわらかな装飾として、夜にはほのかな明かりで空間を照らします。

植物の鉢には多肉植物やアロエなどが並び、手をかけすぎず、でもきちんと整えられた美しさ。都会の喧騒から少し離れて、心を整える場所としての魅力がここにあります。

水回りなどの一部だけは業者に依頼し、あとは休日ごとにコツコツとDIY。娘さんや息子さんも手伝いに来てくれたそうです。

それでは建物の中へ。

入口の扉を開けると、まず目に入るのは家庭的な土間とスリッパ。もともとは一軒家を改装したものだから、靴を脱いで、家にお邪魔するように中へ上がります。

まるで誰かの家に遊びに来たような、そんな居心地のよさが「クレープろじうら」にはあるのです。

店内は、やさしい光が差し込む明るい空間。壁は落ち着いたブルーグレー、木目のテーブルに黒と茶の椅子が並び、シンプルながらも洗練されたインテリアが印象的です。

窓から見えるのはテラスのグリーンと、その先に揺れる木々の葉。外と中がゆるやかにつながっていて、時間がゆっくりと流れているように感じます。

正面のカウンター奥にはキッチンがあり、そこからクレープを焼く音や香ばしい香りがふわり。壁に掲げられた黒板メニューには、クレープとドリンクが並びます。

もちもち生地の絶品クレープ。手づくりのやさしさが詰まった一枚

主役のクレープは、注文を受けてから1枚ずつ丁寧に焼き上げます。

鉄板に流し込まれた生地は、トンボと呼ばれる木の道具で手際よく薄く広げられ、ほんの数秒で表面がぷつぷつと泡立ち始めます。

じっくりと火が通り、縁が少しずつ色づきはじめたころ、ヘラでふわりとひっくり返され、こんがりと焼き目がついたもちもちのクレープ生地が姿をあらわします。

「クレープろじうら」の生地は、しっとりと柔らかく、それでいて軽やか。食べ終わるまで具材がしっかり詰まっているように、計算して具材を盛り付け、きれいに巻き上げるのです。

最後のひと口までちゃんとおいしいクレープの完成です。

クレープへの思い

奥さまはもともとクレープが大好きで、各地で食べたクレープを参考にしながら、究極のクレープを目指したそうです。自宅で練習を重ねて理想のレシピを完成させ、クレープ焼き器を購入し、休日のたびに何十枚も焼きながら研究を続けたとか。

「自分が心から『おいしい』と思えるクレープを、誰かにも届けたい」

その想いが、クレープ一つ一つに丁寧に込められています。

「クレープろじうら」の人気メニューを紹介

定番の一番人気は「バナナクリーム&カスタード」

「バナナクリーム&カスタード」は、甘さ控えめのホイップクリームに、完熟バナナ、カスタードの組み合わせが王道ながらも絶妙。どこを食べてもバランスのよい味わいで、リピートする人も多いのだとか。

一口かじった瞬間、まず驚いたのは生地のもちもち感。ほんのり甘く、香ばしく焼かれたクレープ生地は、まるでデザートというより「やさしい主食」のような存在感があります。

そこに包まれているのは、完熟バナナのとろける甘さと、軽やかでミルキーなホイップクリーム。カスタードは甘すぎず、大人でも飽きのこない絶妙なバランスです。

さらに感心したのは、どこを食べても中身がぎっしり詰まっていること。最初のひと口から、最後の一口まで、バナナとクリーム、チョコの三重奏がしっかり感じられる。つまり「最後までちゃんと美味しい」んです。

手づくりの丁寧さが伝わってくる、しあわせな一本。これが街角で気軽に味わえるなんて、ちょっと贅沢すぎるかもしれません。

カスタードブリュレクレープ

 

 
 
 
 
 
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「カスタードブリュレクレープ」も人気メニューです。表面にまぶした砂糖をバーナーでこんがりと炙り、カリッと香ばしいキャラメリゼに仕上げています。なめらかなカスタードと合わせて、スイーツ好きにはたまらない逸品です。

他にも、季節によっては、旬のフルーツを使った限定クレープも登場予定。訪れるたびに新しい発見があるのも楽しみのひとつです。

焙じ茶の香ばしさがクセになる。「ほうじ茶ラテ」が名脇役

カフェのドリンクといえばコーヒーや紅茶ですが、私の一押しは「ほうじ茶ラテ」です。

注文を受けてから、やわらかなミルクの上に丁寧に注がれていく濃いほうじ茶。ふわふわのフォームミルクにとろりと注がれるその瞬間、香ばしい香りがふわっと立ちのぼります。

焦がし茶葉の香りとミルクの甘みがやさしく広がり、どこかほっとする味わい。甘すぎず、渋すぎず、クレープの甘さを引き立てる名脇役です。

暑い季節にはアイスで、寒い日にはホットをぜひ。

宣伝なしでも口コミで広がる、ろじうらの魅力

「じつは、あまり宣伝していないんですよ」とご主人。チラシもSNSも最小限。それでも、常連さんや散歩中に偶然見つけたお客さんがクチコミで広めてくれて、日々訪れる人が増えているのだとか。

ふらりと立ち寄って、焼きたてのクレープを片手にそのままテラスでひと息つくのもいいけれど、テイクアウトしてドライブのお供にするのもまた楽しみ方のひとつですね。

ちなみに、Uber Eatsもやっているそうですよ。

看板のない路地裏に、こんなにあたたかなお店があるなんて。

クレープをひと口頬ばるたび、きっとあなたの心にもやさしさが広がるはずです。

Information お店情報

クレープ ろじうら

埼玉県越谷市南町2-10-14

11:00~19:00

定休日:火・水・木

インスタグラム

この記事を書いた人いとうゆうすけ

人にフォーカスした取材記事を好みます。
AIに負けないコンテンツは現場にあり、ということで、現場のリアルな姿を文章と画像と動画で伝えていきます。
Instagram@nicegohan

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