2025.09.292025.09.28

【料理人レシピ】木須肉(ムーシューロウ)を家で極める!料理人に教わった「ふわ玉×とろみ」の正解レシピ

料理レシピ、中華料理レシピ 豚肉ときくらげの卵炒め 木須肉レシピ

「お店で食べるあの味を、家でも再現できたら…」

そんな願いをかなえるのが、この「料理人のレシピ」シリーズです。プロの料理人が、実演を交えながら家庭でも失敗せずに作れるコツを伝授してくれます。

さらに「ちょっとした工夫で美味しくする方法」や「失敗しない秘訣」まで紹介します。

木須肉(ムーシューロウ)

今回ご紹介するのは、卵の黄色がふわっと咲き、きくらげと豚肉の香りが食欲をそそる、中国北方の家庭料理「木須肉(ムーシューロウ)」です。

卵を金木犀の花に見立てたことが名前の由来とも言われる、古くから親しまれてきたやさしい炒め煮です。

日本の中華料理店では「豚肉ときくらげの卵炒め」や「豚肉玉子きくらげ炒め」といった名前で登場することが多く、あなたも一度は口にしたことがあるはずです。

辛味がなく、栄養バランスもばっちり。ご飯にのせれば丼に、お弁当のおかずやビールのお供もぴったりで、家族みんなが笑顔になる料理です。

今回の料理人はこの人だ!

今回は、埼玉県川口市の中華居酒屋「中国料理チャイニーズラーメンあさひな」の料理人宮下さんにご協力いただきました。

宮下さんは本場の中華料理を中国語の原書から学び、日本ではまだ知られていないような料理まで提供する探求心あふれる料理人です。

中国料理 チャイニーズラーメンあさひな
住所:埼玉県川口市弥平2-23-11
時間:11:30~15:00(L.O. 14:00) 17:30~22:00(L.O. 21:00)

>>お店の詳細はこちらの記事で紹介しています

※今回は「ナナシ酒場」で撮影させて頂きました。

木須肉(ムーシューロウ)のレシピ公開!

材料(2人前)

●材料(2人前)
豚肉(薄切りまたは角切り)…100g前後(100〜150gでOK)
卵…3個
乾燥きくらげ…5g(水で戻して細切り)
しいたけ…2個(薄切り)
たけのこ(水煮)…80g(細切り)
長ねぎ…1/2本(斜め薄切り)

油…大さじ1+小さじ1(卵用に大さじ1、炒め用に小さじ1)
鶏がらスープ…200ml(顆粒を湯で溶いてOK)
水溶き片栗粉…片栗粉小さじ2+水小さじ4(比率1:2)

●合わせ調味料
醤油…大さじ2
酒…小さじ2
酢…小さじ1
砂糖…小さじ1
こしょう…少々
うま味調味料(味の素)…小さじ1/2(任意)

●隠し味(無くても大丈夫)
鶏油(チーユ)…小さじ1(仕上げのコクだし)

①卵を先にふわっと仕上げる

まず、卵を溶きほぐして溶き卵を作ります。

フライパンに油大さじ1を中火で熱します。

溶き卵を流し入れ、大きくゆっくり混ぜましょう。

半熟手前〜八分どおりで火を止めます。

器に一度取り出しておきます。

ポイント!
卵は火を通しすぎないように、いったんお皿に取り出します。最後に戻すことで「ふわふわ感」をキープできます。

②同じフライパンで具材を炒める

同じフライパンで、油小さじ1を足し、豚肉→ねぎの順に軽く炒めて香りを出します。

鶏がらスープ200mlを用意します。

スープを注いで一度ふつふつさせ、具材に火を通します。具材や火力で蒸発量が変わるので、足りなければ少し足してOKです。

残りの具材を入れます。

ここで「合わせ調味料」を少しずつ加え、味を決めます。

ポイント!
後から卵が入る分、気持ち「やや濃い」が目安です。
この「合わせ調味料」は、いろんな炒め物に使える万能調味料!

③卵を戻して仕上げ

取り出しておいた卵を戻し、全体をやさしく合わせます。卵がスープを吸って「旨とろ」になります。

いったん火を止めて、水溶き片栗粉を回し入れます。

ポイント!
火をつけたままドバッと入れると、その場でゼリー状に固まって「だま」になってしまいます。

弱火に戻してやさしく混ぜ、とろみを全体に均一化しましょう。

木須肉(ムーシューロウ)の完成です!

黄金色のふわふわ卵に、豚肉やきくらげ、しいたけが絡んで「旨とろ」に仕上がりました。

湯気の立ちのぼるフライパンからは、香ばしい香りとともに中華ならではの力強い風味が広がります。

料理人からのプチアドバイス!

①豚バラ肉は「90分煮込み」で格別に

木須肉(ムーシューロウ)の豚肉は炒めるだけでも美味しいのですが、「豚バラの塊肉を90分ほど下茹でする」と格段に美味しくなります。

余分な脂が抜けて柔らかく、しかも旨味がぎゅっと凝縮。煮汁はスープのベースにも使えるので、無駄がありません。ちょっと手間をかけるだけで、お店の味にぐっと近づきます。

②仕上げに鶏油(チーユ)をひとたらし

中華料理店の深いコクと香りの秘密は、実は「鶏油(チーユ)」にあります。

鶏皮をじっくり加熱して取った油で、最後にほんの小さじ1ほど垂らすだけで、全体がぐっと引き締まった味に。家庭では手に入りにくいと思うかもしれませんが、市販のものもありますし、鶏皮を炒めて自家製で作ることもできます。ラーメンや炒飯にも使える万能油なので、常備しておくと便利です。

③アレンジは季節の野菜で遊ぶ

木須肉(ムーシューロウ)は、アレンジしやすい料理です。

たとえば春ならアスパラ、夏はピーマンやナス、秋はきのこ、冬は白菜…と、季節の野菜を加えるだけで「旬の木須肉」に早変わりします。

子ども向けにはソーセージやブロッコリーを足して彩りをプラスするのもおすすめです。冷蔵庫にある食材で自在にアレンジできるのも、この料理の大きな魅力です。

丼にしても美味しいですよ(笑)。

栄養の目安(1人前・推定)

カロリー:約450–520kcal
たんぱく質:20–25g
脂質:28–35g
炭水化物:15–20g(野菜由来+調味料)

※栄養素は、豚の部位や油量でも変動します。

ごちそうさまノート

今回の木須肉(ムーシューロウ)、取材後にさっそく家で作ってみました。

料理人さんの言う通り、卵を先に仕上げておくと本当にふわふわ!片栗粉も火を止めてから入れたら、ちゃんとお店みたいなとろみになりました。
食卓に出したら、子どもは「これ丼にして!」とご飯の上にワシワシのせ、大人はビール片手におつまみスタイル。気づけばフライパンが空っぽに。やっぱり中華って家族みんなを笑顔にしてくれますね。
次は冷蔵庫に残っている野菜で「我が家のムーシュー」に挑戦してみようと思います。あなたの食卓ではどんなアレンジになるでしょうか?

この記事を書いた人いとうゆうすけ

人にフォーカスした取材記事を好みます。
AIに負けないコンテンツは現場にあり、ということで、現場のリアルな姿を文章と画像と動画で伝えていきます。
Instagram@nicegohan

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